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SEというかプログラマというか、日々のエンジニア生活の中で体験したことなどを中心に書き残しています。

2025-04-25 Certified Kubernetes Application Developer (CKAD) を再取得しました【未だ四冠🥺】🐳🐳🐳🐳

直近またk8sのお仕事をすることになったのと Certified Kubernetes Security Specialist (CKS) の有効期限が切れる前に一度 Kubestronaut の称号(と限定ジャケット)をゲットしておきたかったので 認定Kubernetesアプリケーション開発者 (CKAD-JP) を再取得することにしました。結果としてはCKADを再取得することには成功したのですが、 Kubestronaut の称号を得ることには失敗しました。これまでの受験では発生しなかったトラブルが何度も発生したので、後学&備忘録として経緯を記録しておこうと思います。

 

Kubernetes認定資格

本日(2025年4月27日)時点ではLinux Foundationが認定するKubernetesの認定資格は、次の5種類(KCNA/KCSA/CKA/CKAD/CKS)があります。また、2024年3月から新たに Kubestronautプログラム なるものが開始されており、これら5種類を全冠した人に与えられる新たな称号です。k8sエンジニアのコレクター心理をくすぐるいやらしい戦略ですね(笑)

今回、改めて認定有効期間の最新動向を調べてみましたが昨年アナウンスされた

2024 年認定有効期限ポリシーの変更 - Linux Foundation - トレーニング

2024年4月1日から全ての認定期間が24ヶ月(2年)に変更されている点 から変更はありませんでした。

そして、ご存じの通り認定試験の価格も順調に値上げされており、このようなアナウンスがでておりました。(ま、これはいつものことですね…💸)

2025年2月4日よりCKA、CKAD、CKS、LFCS 認定試験の価格変更のお知らせ - The Linux Foundation

略称 正式名 概要

KCNA

KCNA-JP

  • Kubernetes and Cloud Native Associate(KCNA)
  • 認定Kubernetesクラウドネイティブアソシエイト(KCNA-JP)
Kubernetesと広範なクラウド ネイティブ エコシステムに関する基本的な知識とスキルを証明する(有効認定期間:2年間

KCSA

  • Kubernetes and Cloud Native Security Associate(KCSA)
  • 認定Kubernetesクラウドネイティブセキュリティアソシエイト (KCSA)
Kubernetesクラスタのベースラインセキュリティ設定を理解し、セキュリティ制御の強化/テストと監視/脅威と脆弱性の強化に参加し、コンプライアンス目標を達成できるスキルを証明します(有効認定期間:2年間

CKA

CKA-JP

  • Certified Kubernetes Administrator (CKA)
  • 認定Kubernetes管理者  (CKA-JP)
Kubernetes管理者の責任を遂行するスキル、知識、および能力を備えていることを保証する(有効認定期間:2年間

CKAD

CKAD-JP

  • Certified Kubernetes Application Developer (CKAD)
  • 認定Kubernetesアプリケーション開発者 (CKAD-JP)
ユーザーが Kubernetes 用のクラウドネイティブ アプリケーションを設計、構築、デプロイできることを証明する(有効認定期間:2年間

CKS

CKS-JP

  • Certified Kubernetes Security Specialist (CKS)
  • 認定Kubernetesセキュリティスペシャリスト (CKS-JP)
Kubernetesの熟練した実践者(CKA認定が必要)であり、コンテナベースのアプリケーションやKubernetesプラットフォームの構築、デプロイ、ランタイム時のセキュリティを確保するための幅広いベストプラクティス能力を実証する(有効認定期間:2年間

 

試験対策

今回の試験対策で実践した内容は主に次の2つです。 

1.Udemy

2019年に購入した教材を再利用したので今回新たに教材を購入しませんでした。なんと嬉しいことに最新動向に追従して教材がちゃんとアップデートされていました。これはありがたいですね。

Kubernetes Certified Application Developer (CKAD) Training | Udemy

主に以下の模擬試験的な教材を中心に実際に手を動かして繰り返し復習しました。

  • セクション12: Mock Exams
  • セクション11: Lightning Labs

セクション12→11の順に実施する理由は、セクション11の方が難易度が高いためです。こちらの過去記事にも記載していますので併せてご覧ください。

2.Killer Shell - Exam Simulators

試験を申し込むと教材として利用できるようになります。

Killer Shell - Exam Simulators

主に以下の模擬試験的な教材を中心に実際に手を動かして繰り返し復習しました。

* CKAD Simulator Kubernetes 1.32

こちらの教材には有効期限があるので模擬試験として利用する場合はタイミングを考慮して利用しましょう。ただ、模擬試験として利用する有効期限が過ぎても解答と解説は閲覧することができます。目的に応じてうまく活用しましょう。

 

受験時のトラブルの経緯

今回の受験で実際に起きたことを時系列に沿って記載すると以下のような感じです。

# 日時 事象

1

2025年04月06日(日)

10:00~10:30

★ 受験(1回目):無効

試験開始後30分で PSI Secure Browser がフリーズして試験が強制終了する

2

2025年04月06日(日)

10:36

終了後すぐに

http://trainingsupport.linuxfoundation.org/

でサポートへチケットを起票する

3

2025年04月08日(火)

20:32

採点中(Grading in progress)のまま48時間以上経過してもサポートから回答がないので起票したチケットにコメントを追記する

4

2025年04月09日(水)

12:10

採点中(Grading in progress)のまま72時間以上経過してもサポートから回答がないので起票したチケットにコメントを追記する
5

2025年04月09日(水)

17:52

サポートから再度受験が可能となった旨の連絡がくる
6

2025年04月11日(金)

04:00~04:30

★ 受験(2回目):無効

事前にPCスペックやネットワーク帯域などを入念にチェックして試験に臨むも再び試験開始後30分で PSI Secure Browser がフリーズして試験が強制終了する

7

2025年04月11日(金)

10:20

終了後しばらく様子を見つつ

http://trainingsupport.linuxfoundation.org/

でサポートへチケットを起票する

8

2025年04月16日(水)

23:13

採点中(Grading in progress)のまま1週間近く経過してもサポートから回答がないので起票したチケットにコメントを追記する
9

2025年04月17日(木)

00:00

CKSの資格を失効する(このタイミングで Kubestronaut になる資格を喪失する)

10

2025年04月17日(木)

18:44

あまりにもサポートから回答がないので心配になって起票したチケットに更に催促のコメントを追記する
11

2025年04月17日(木)

19:47

サポートから再度受験が可能となった旨の連絡がくる
12

2025年04月20日(日)

16:00~18:00

★ 受験(3回目):不合格

受験時に使用するPCを再セットアップ(OS再インストール)して受験したところ PSI Secure Browser がフリーズすることなく受験が完了する(試験結果は不合格だったが、最後まで受験できたことに安心する)

13

2025年04月25日(金)

04:30~06:30

☆ 受験(4回目):合格

PSI Secure Browser がフリーズすることなく受験が完了する

今回のトラブルに対処するためネットに有益な情報がないか検索(例:PSI Secure Browser、フリーズ、など)してみたところ、数は多くはないものの、似たような事象で困っている人は一定数いそうでした。

いずれも、これといった有効な解決策はないようで、とにかく気長にサポートとキャッチボールをしながら、受験する環境を変えて原因の切り分けをするというアプローチしか無さそうです。(こうなると試験センターで受験するという選択肢も欲しいですね)

 

受験時のトラブルの教訓

1.計画について

今回は初回受験から受験終了まで20日(3週間弱)を要しました。目論見としては、CKSの資格を失効する2025年4月17日(木)までに、ギリギリ2回(初回受験+リテイク)受験して合格するというスケジュールで臨んだのですが完全に計画が破綻してしまいました。これまでの受験では今回のようなトラブルには遭遇したことがなかったので、まさかここまで時間がかかるとは想像もしていませんでしたが、今後は今回のようなトラブルが発生することも念頭に置きながら計画を立てて臨む必要があると痛感しました。加えて、サポートとのキャッチボールのリードタイムも想像より長い印象でした。特に2回目フリーズ時は催促して1週間くらいだったので、もし強めの催促をしなかったらもっと放置された可能性も高かったように思います。

2.環境について

なるべく今回のようなトラブルに遭遇したくなかったので、過去に受験で使用した実績のあるPCを利用して受験に臨んだのですが、残念なトラブルに見舞われてしまいました。最終的にPCを再セットアップ(OS再インストール)して受験することで試験を完了させることができたので、少なくともネットワーク帯域やH/Wの問題ではなく、OSにインストールされている何らかのソフトウェアが影響していた可能性が高いことまでは分りましたが詳細は不明です。試験センターで受験できないスタイルの資格試験なので、難しいとは思いますが受験前のシステムチェックなどでもう少し厳密にチェックして事前に教えてほしいところです。

 

試験時の注意点

今回は基本的には問題文を日本語の表示で受験しましたが、途中明らかにおかしな問題文があり、英語の表示に切り替えたところ、問題文の原文(英語)の多くが無視され欠落した意味の分からない問題がありました。問題文のタグ名が

undefined: undefined

と明らかに不自然な表示になっていたので気付けましたが、自動翻訳の怖いところです。多言語対応しているとはいえ、翻訳後の問題文のチェックはあまりされていない前提で試験に臨むのが良さそうです。

 

さいごに

結局今回は Kubestronaut になることはできませんでした。CKSを再取得するモチベーションが湧けば改めて挑戦したいと思いますが、なかなか手間もお金もかかることなのでもう少し考えてから決めたいと思います。それでは一旦お疲れさまでした🙇‍♂️