機雷がなんだ! 全速前進!

SEというかプログラマというか、日々のエンジニア生活の中で体験したことなどを中心に書き残しています。

Gembaの"小さな"越境とその前提条件

このエントリーはDevLOVE Advent Calendar 2014 「越境」』の18日目の記事です。

昨日のエントリー zakky さんからのバトンを受けて書かせてもらいます。 

自己紹介

昨年の「DevLOVE現場甲子園2013」をキッカケに始めたBlogですが、なんとかまだ続いてますw

まずは自己紹介ということで、Twitterアカウントと同じくorinbouというHNでBlog書いてます。派遣や受託でソフトウェア開発を行うの小さな所謂SI屋で働いています。昨年のDevLOVE現場甲子園では団長の中村洋さん率いる「団」チームで、二回裏に「世界を変える前に現場を変えよう」というタイトルで発表させてもらいました。今年の現場甲子園では裏方専門スタッフ(雑用係)として活動しています。今年の登壇としては、XP祭り2014のLT(オオトリで撃沈…)くらいかな?気が向いたらBlogのプロフページでも見てやってください。

Gembaの"小さな"越境とその前提条件

9月末までの私の現場はお客様先でした。紆余曲折を経て10月から自社に戻りかつて自身が立ち上げに関与していた自社サービスの開発に戻ることとなりました。戻ってまず感じたのは、開発の現場となっている所内がとても静かだったこと。おかげで自分の声だけがとてもデカく感じましたw2年以上もその現場を離れていたことと、前任者からの引き継ぎが全く足りていなかったこともあって、しばらくは、自分が居ない間に変化したことや忘れてしまっていることを思い出しながら苦戦していましたが、その中で、チームがあまりに流動的でモヤモヤしていたので、上司と掛け合って先ずはあえて垣根をつくりました。垣根といっても、悪い意味ではなく、とにかくイロイロなことを言われるがままにやらされていた人達が属するチームを明確にしました。まずは所属する確かな場所があってこそ開発者もアイデンティティが確立する訳で、兼務とかヘルプ要員みたいな人ばかりで編成されたチームって、当事者意識がなくてまともに機能しないことが多いですから。作業をお願いする側も、いつ居なくなるか分からない人に大事なことや時間のかかりそうなことを頼めないってなると、もはやな何なんだその組織は?って話になるし、チームとかいう以前の状態です。越境するには、まず確かなアイデンティティ(根っこ)があってこそだと思っています。でないとただの根無し草でフワフワしてしまうので、突っ込んだ話もできないし、それ故に、個人もチームも成長の機会を奪われてしまいますよね? 

という訳で、ここ1ヶ月半くらい下記のことやりました(※というか、気付いたらやっていた) 

   →所属するチームやプロジェクトを明確にして、腰を据えて作業できるようにする。

  • Step2】かんばん:情報共有、見える化、見せる化(開発者、営業、経営者へ)

   →所属するチーム内で何が起きているか(ステークホルダーに)分かるようにする。

  • Step3】ふりかえり:大層なことはやらない。ちょっとしたことからカイゼン

   →チーム内のことでもいいし、ソレ以外のことでもいいので、できることから改善する。

 弊社のプロジェクトは、中も外も、毎度毎度、個人でタテ割りになっていることが多い(なぜ?)のでイロイロと問題が発生することも多い訳なのですが、少しずつ良い方にサイクルが回り始めてきたように思います。

特に『ふりかえり』では、プロジェクトに全然関係ないことでいいから、少しでもやりにくいと思っている事や、なんだか分からないけど、モヤモヤしていること、などをお互い(最初は2人サシからスタート)とにかく何でもいいから出し合っていきました。で、先ずは自分から腹を割って、ホントに些細な事「事務所内のゴミ捨て当番の偏りが酷いよね」とか「事務所内の湿度が40%切っててヤヴァいよね」とか話してたら「え?そんなことでいいんですか?」ってなって出るわ出るわで…もちろん、Problem(問題)だけでなくKeep(良かったこと、続けること)も出るようになったし、そこからのTry(挑戦)も自発的出るようになってきました。

嬉しかったのは、最近、出張で終日不在となった日(金曜日)があったのですが、翌週の月曜日に出社したらタスクボード(の付箋)が動いていたんですよ。もちろん勝手に動いたっていうオカルト話ではなくて、着手している作業がとある事情でどうしても進められなくなったので、開発メンバーがかんばんボードを見て、自発的に優先度の高い別のタスクをTODO→DOINGにして作業を進めていてくれていたんです。当たり前といえば当たり前のことではありますが、言われたこと(だけ)キッチリやって後は知りません…みたいな感じが当たり前だった、ほんの1ヶ月前のことを考えるとものすごい変化だと思いました。

 

さて、ここまで全然『越境』の話をしていませんが、最後に少しだけしたいと思います。

ウチの社内アルアルとしては、個人のサイロ化が問題になることが多いのですが、今回は、個人のチームへの所属が曖昧であったことから、チームとして機能しておらず、力を集中させることができていないことが問題でした。そういう意味で、メンバーには、まず明確にチームへ所属してアイデンティティを感じてもらうことが、最低限のスタートラインだったように思います。その上で、個人がサイロ化しないように、普段から情報を共有し(見える化)、問題に対してチーム(※必ずしもチームでなく『!個人』という意味。チーム全体でなく、とあるメンバー同士でもいいと思う)で取り組んでいけば、まずは、チーム内メンバー間での"小さな"『越境』がしやすくなるのではないでしょうか?

 

最後に『越境』という言葉の意味を調べてみたら、「不法に…」とか、何となく悪い意味で使われることを前提としているようですが、そこは文脈次第だと思うので気にしない気にしない。とまれ、良いか悪いかはさておき、越境するには、それを乗り越えるためのエネルギーが必要だということにかわりはないと思います。


越境とは - コトバンク

えっきょう【越境】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

 

それぞれの現場で、それぞれの人、それぞれのチームなりの越境があると思います。

私も次の越境へ向けて、また明日から進んでいきたいと思います。

 

次の人へ

次は今年の現場甲子園2014で初登壇を経験された kimKimmy さんへバトンをお渡しします。

日々現場で奮闘する様子に私も元気と勇気をもらっています(^^)

どんな物語が聞けるのか、とても楽しみにしています。

それでは、どうぞよろしくお願いします!